【危険物取扱者甲種】独学で50時間勉強して一発合格した話(理系出身)
もうそろそろ、危険物取扱者試験が始まる時期ですね。
資格取得したいけど、合格できる?難易度は?どれくらい勉強すれば良い?忙しいからあまり時間は使えない・・・
そんな方に、ギリギリまで勉強しなかった私がどうやって一発合格したか、おすすめの勉強法をお伝えしたいと思います。
目次
1.筆者の受験条件
- 大学院在学中
- 化学系学位取得済み
- 試験申し込み後2ヶ月以上放置
- 試験約3週間前からちょっとずつ勉強を開始
- 本格的に勉強したのは1週間のみ
参考までに、私が受験した際のことを簡単にまとめました。
大学院在学中ということもあり、そして私が怠け者ということもあって、全然勉強せずにダラダラと研究と遊びの日々を送っていました。1ヶ月を切り、そろそろヤバいぞということで問題集を開いたのが3週間前。そして、自分の買った参考書が使えないことに気づき、別の参考書で勉強し始めたのが約1週間前です。
ちなみに、筆者は優等生ではありません。中級国立大の理系学生で、成績も特別よくありません。さらに言うと、暗記は苦手です。無事合格できたのが不思議なくらいですが、これはたまたま勉強方法と参考書が良かったからだと考えています。これらについて、以下に詳しく書いていきます。
2.難易度
まず危険物取扱者試験 甲種の概要について簡単に説明しておきます。既にご存じの方は飛ばしていただいて大丈夫です。
私は大学で化学を学んでいたこともあり、基礎知識はあったので、「簡単ならそもそも勉強しなくていいかな」と思っていました。しかし、それだけじゃないのが危険物取扱者試験。試験内容は下記の3つに分かれており、それぞれ60%以上正解しなければいけません。よって、化学知識があっても、法令や消火方法の知識がなければ合格できないということになります。
危険物甲種の試験科目と問題数
- 危険物に関する法令・・・・・・・・・・・・・・・・15(9問正解)
- 物理学及び化学・・・・・・・・・・・・・・・・・・10(6問正解)
- 危険物の性質並びにその火災予防及び消火の方法・・・20(12問正解)
※()内は合格するのに60%正答率に必要な数です。
これを見る限り、基礎知識である「物理学及び化学」は10問しかありませんし、そもそも別科目になっているので、1つの科目ができても意味がありません。よって、化学知識の豊富な方でも、ある程度試験勉強はした方が良いと思います。
3.合格率
実際に受験した方の合格率がこちらです。
危険物取扱者甲種 合格率
令和1年度 (2019)・・・39.6%
平成30年度(2018)・・・39.8%
平成29年度(2017)・・・37.3%
平成28年度(2016)・・・33.5%
平成27年度(2015)・・・32.2%
平成26年度(2014)・・・32.8%
平成25年度(2013)・・・33.2%
平成24年度(2012)・・・32.8%
以前までは、合格率3割と言われていたのですが、ここ数年は合格率が4割程度まで上昇しているようですね。それでも、過半数が不合格であるということには変わりません。ただしこの中には、とりあえず申し込んだけど受けなかった方や、勉強しなかった方も含まれているので、それを踏まえると合格率は50%程度かなと思います。
私は2015年に受けたのですが、受けてみた感想としては、正しく勉強すれば普通に受かる試験だと思います。受験する方は、後に書く方法を参考にしてみてください。
4.試験日程
試験日程は、こちらの公式HPに記載があるので、そちらで確認する方が早いです。
ちなみに、自分の住んでいる地区でなくても受験可能です。どうしてもこの日に受けたい、などといった希望がある方は、好きな都道府県で受けられます。ただし、その試験を管轄するところに申請する必要があるので注意してください。
5.勉強時間
私は試験3週間前にやっと参考書を開きました。そこから3週間の勉強時間は以下の通りです。
5-1.試験までの時間配分
- 試験3週間前・・・毎日1~2時間=約10時間
- 試験2週間前・・・平日1~2時間+週末3時間=約15時間
- 試験1週間前・・・平日2~3時間+週末4時間=約20時間
- 前日~当日・・・約5時間
これで、合計50時間となります。正確に測っていたわけではありませんが、だいたいこのくらいです。正直なところ、初めの1週間は研究の片手間にペラペラと参考書のテキスト部分を読んでいただけなので、あまり意味がなかったように思います。それを踏まえると、正味勉強時間は40時間程度かもしれません。これで、合格できました。
何度も言いますが、私は優等生ではありません。勉強方法と参考書が良かった、それだけです。
5-2.苦手な部分に時間を割く
私の場合、理系学生だったということもあり、物理学と科学の科目のテキスト部分はあまり読んでいません。その代わり、苦手な法令に時間を割きました。
危険物の性質や消火方法は、基礎知識から派生して考えることができるので、ある程度時間をかければ理解できます。しかし法令は、覚えてなければ出てきません。暗記が苦手かつ法律に疎い私は、法令に半分以上時間を割いたと思います。
よって、3つの科目に3分割して時間を進めていこうとすると、最終的に時間が足りなくなると思います。後で時間を割けるように、予め自分の不得意な部分を把握しておきましょう。
6.勉強方法
50時間をどのように勉強したか、以下に示します。
6-1.勉強の流れ
- テキストに軽く目を通す
- 問題を解く
- 解いた問題の正誤に関わらず解説を読む
- 間違った問題のテキスト部分を復習する
- 2、3、4を繰り返す
- 模擬試験をする
- 間違った問題を復習する
- 6、7を繰り返す
初めにテキストを読むのは軽くでOK。すべてを暗記しようと思わず、とりあえず1周読み終えてください。そうして、だいたいの雰囲気をつかんだ後に問題を解きます。この時は、正解した問題も解説を読むことをおすすめします。まだ自分の中に内容が入っていない可能性があるためです。
そして次々と問題を解き、終わったら試験形式に切り替えます。試験形式にしたら解答時間は守り、途中で分からないからといってテキストを見ることはありません。最後まで解答したら、正答率を確かめます。そして、間違った問題と分からなくて適当に答えた問題を復習します。
勉強方法を勉強時間と合わせてみると、だいたい以下のようになります。
6-2.勉強方法 時系列
- 試験3週間前・・・テキストを読む=約10時間
- 試験2週間前・・・問題を解きつつ、テキストを読む=約15時間
- 試験1週間前・・・問題と復習+模擬試験=約20時間
- 前日~当日・・・模擬試験+間違った問題を総復習=約5時間
一度やった問題はなんとなく記憶に残ってしまうので、何度も同じ問題を解くのは意味がないと思います。ましてや短期間で学習するなら、なおさらです。何度も同じ部分をやって完璧にするのではなく、数をこなすことをおすすめします。
6-3.どうしても時間がない場合
忙しすぎてこんなにできない、という方はとりあえず問題を解いてください。そして復習。その繰り返しです。自信のある部分は飛ばして、テキスト1周分やれば良いと思います。模擬試験は、できれば数回した方が試験の感覚がつかめます。
とりあえず問題数をかせぐ。これが一番です。
7.参考書・問題集
公式の問題集はありません。よって、個人で選んで参考書を買わなければいけません。私も自分で良さげな参考書を選んで買ったのですが、一つ目の参考書は失敗でした。その参考書だけで勉強していたら、合格しなかったと思います。なぜそう思うかというと、二つ目の参考書を見たときに全然問題が解けなかったからです。そこで、私が思う参考書を選ぶポイントを以下に示します。
7-1.参考書を選ぶポイント
- 問題数が多い
- 解答に対する説明書きがある
- 簡潔すぎず、丁寧に説明されている
- 一見難しいが、読めばわかる
これらのポイントに当てはまっていれば、問題ないと思います。一番伝えたいのは4つ目で、一目で見てわかるような簡単すぎる参考書は買わない方が良いということです。なぜかというと、勉強していない自分がわかる程度の内容しか書いていないからです。危険物甲種の試験は、過去問を見ればわかりますが、堅い言葉で書かれていることも多いです。その傾向になれるためにも、比較的過去問に近い書き方の問題が乗っている参考書がおすすめです。
7-2.私が使用した参考書
私が使用したのは こちらの赤染元浩さん監修のテキストです。2012年出版ですが、物体の化学的な性質は変わらないですし、法令もほとんど変わっていないので問題ないと思います。
こちらの良いところは、テキストと問題集が一緒になっているところ。問題集で分からないところがあれば、解答に載っている説明を読むだけでなく、テキストに戻って復習することができます。
もっと問題を解きたいという方は、同じ赤染元浩さん監修の問題集が2016年に出版されているので、こちらも解くとより安心でしょう。
また、公式の例題集PDFもあるので、時間があればこちらも解いてみると良いかもしれません。ただし、解答は載っていますが解説はないので、自分でテキストと照らし合わせて理解していく必要があります。
8.一発合格するために
どうせ受験するなら、合格したいですよね。ご紹介した参考書を使って同じように勉強すれば、ほとんどの方が受かると思うので、ぜひ参考にしてみてください。
効率的に勉強して、一発合格しましょう。